チシオスミレ/地上茎なし。紫色の花。葉脈が赤いサクラスミレの品種。

スミレ

花が大きくてきれいなサクラスミレ。その中でも、葉脈が赤く染まっているものがあり、チシオスミレと呼ばれている。葉に血潮の通っているような血潮菫。とてもネーミングセンスがあるなあと思う。

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チシオスミレ

血潮菫
学名 Viola hirtipes f. rhodovenia
スミレ科スミレ属(ミヤマスミレ類)の多年草。地上茎なし。サクラスミレの品種で葉脈が赤い。そのほかはサクラスミレと同様で、紫色の大ぶりな花と直立するように生える葉が特徴的。花柄、葉柄、萼片、葉はまばらな毛に覆われている。

チシオスミレの全草

おおよその見た目はサクラスミレと変わらない(血潮があまり写ってないし)。一株につき大きな花が1~3、葉も1~3枚と、すっきりした構造だ。1枚目の写真のように直立した大きな葉が、花よりも高くつき出す姿がサクラスミレの典型的な立ち姿。

チシオスミレの花

花もサクラスミレと同様、広い花弁で大ぶりの紫色だ。

 

側弁の基部にはブラシ状に毛が密生している。

 

サクラスミレという名前は、花弁の先に切れ込みのある個体を桜になぞらえたもの、という話をサクラスミレのページでも解説したが、チシオスミレも同様に切れ込みのある個体もない個体もある。これはあまり無い個体。

 

花柄や萼片には、毛がまばらに生えていたり、ほとんど生えていなかったりする。毛が密生していたらアカネスミレを疑おう。

チシオスミレの茎、葉

地上茎はない。株元を見ると割と毛が生えている。が、アカネスミレに比べればまばらで、かつ毛が長い。じょりじょりしてそうな見た目。

 

チシオスミレの葉。長三角形~長卵形の葉で、血がたぎるように主脈が赤い。地面から直立するような生え方は、サクラスミレと共通の特徴。

 

裏面もさぞ血がたぎっておろう、と期待してしめしめとばかりにめくってみたら、ちっとも赤くなかった。

 

葉脈の赤斑が薄い株。葉脈の赤さは個体差が多く、サクラスミレと連続的で明確な境界は無いように思う。

類似種・関連種

サクラスミレはチシオスミレの母種で、葉に赤斑が入らない。

アカネスミレは全体的に毛が密。距も毛に覆われる。葉の形は匙形。

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