天然記念物の湿原
宮崎市から国道10号線を車で1時間ほどひたすら北上すると、川南町、川南湿原に着く。正式名を「川南湿原植物群落」という。国指定天然記念物である。国道わきにあまり目立たずあるので、うっかり通り過ぎちゃいそう。
本当にここが天然記念物? というような、なんの変哲もない小道が入り口なので少し不安になるけれど、路面にでかでかと表示があった。
広々とした駐車場、管理棟にはきれいな公衆トイレがちゃんと整備されていて、そこはさすが天然記念物。
しかも、ここのすごいところが、ガイドブックを置いているところ。薄いけれど、月ごとに見られる植物がカラー写真付きでまとめられていて、無料パンフレットの域を超えた充実度。
なんと、月曜日は閉園日……
駐車場から見渡すと、広々として気持ちいい景色。木道が整っていて、散策にはもってこい。観光に来るのもいいかもしれない。
……おや? ブルーシートとかテミが落ちているぞ? こいつぁどうも様子がおかしい。
と、管理棟のあたりに作業員っぽいおじちゃんたちがいたので訊いてみる。
「お手入れ中ですか? もしかして入れないですかね……?」
「アーネー、月曜日は閉園日ですわ」
「あちゃー、ほんとですか!」
「お兄ちゃんどっか遠くからいらしたん?」
「宮崎市内からで……」
「そりゃまたねえ……いいですわ、特別!」
「( ;∀;)ありがとうございますっ!」
このあと何度も何度もおじちゃんにおじぎしました。
中に入ってみると、ホントだ。閉園日毎週月曜日。これからは気をつけねば。
開園時間 : 4月~9月……9時~17時/10月~11月……9時~16時 閉園日:毎週月曜
お間違えなきよう。
湿原の生き物たち
ヌマトラノオが咲いていた
時期が良くなかったのか、花はあまり咲いていなかった。コキンバイザサが見たい、という地味な目標を懐に忍ばせていたけれど、今回は見つからなかった。
ヌマトラノオがあと一歩で見ごろ、という具合。この日が6月25日。7月に入ったくらいがいちばん見ごろかもしれない。虎の尾、というけれど、まだ猫くらいか。
トンボが元気
園内に入って、植物よりも先に目に入るのがトンボ。珍しいものには出会えなかったけれど、じっくり観察&撮影ができた。この日に見られたトンボをご紹介。
特にこのベニトンボが入り口横の池にたくさん飛び回っていた。紅、よりは赤紫が強い体色で、翅(はね)も赤みを帯びている、
ベニトンボよりもむしろ真紅なのがこのショウジョウトンボ。ベニトンボと入り混じって飛んでいるので、見比べるにはもってこいの場所。ひとまわりこちらのほうが大きく、赤く、かっこよく見える。翅は透明。
こちらはチョウトンボ。カラスの濡れ羽色のような、翅の構造色がきれい。翅が幅広で風にひらひらなびく姿が頼りない印象。
オオシオカラトンボ。トンボの中ではかなり接近を許してくれる器の大きいトンボ。ズームしなくても、この写真のように接写ができた。珍しくはないけれど嬉しい。
ハラビロトンボは虎模様。こちらもかなり近づかせてくれた。類似種にオオハラビロトンボというものもいるが、まだ見たことがない。オオハラビロトンボはもっと胸の側面の黒い模様が太く明瞭。
こちらはキイトトンボ。遠目だと黄色い線が浮遊しているように見えて、よく目を凝らしたらイトトンボの姿になる。イトトンボの仲間もたくさんいるのだろうけれど、見つけるのも写真を撮るのも難しい。
もう少し季節が下れば、ギンヤンマの仲間も飛び回り始めるだろうか。
念のため
開園時間 : 4月~9月……9時~17時/10月~11月……9時~16時 閉園日:毎週月曜
だいじなことなのでもう一度。月曜日はお休みです!
コメント
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