謎のじいちゃんと、海藻「まがり」の食べ方
4月末、春うららかな海の岩場でみな貝をせっせことっていたら、地元のじいちゃんに上の写真の海藻は今が旬でおいしいぞ、と教えてもらった。
じい( `ー´)ノ 「『まがり』っちゅう海藻じゃ。うめえぞ~」
ぼく(´・ω・) 「どんげして食うとですか?」
じい( `ー´)ノ 「炊いたら溶けるから、冷やして固めるんじゃ」
そう言ってそのじいちゃんはどこかへ行ってしまった。
炊いて、溶かして、冷やして、固める。人生で聞いた中でも最もざっくりとしたレシピである。寒天的な奴だろうか。宮崎ではほかにムカデノリという海藻も似たような食べ方をする。
気になるので、当該海藻「まがり」をわしづかみにして帰ったきた。
まずは洗う。まがりの名前の由来は形。
流水でわしゃわしゃ洗います。小っちゃい虫というか動物プランクトンというか、たくさんついてるのでよく洗いましょう。エビカニアレルギーとかがある人は、気を付けた方がいいかもしれない。
まがりに混ざって取れた別の海藻や、根こそぎ取れた岩のかけらなどもあるので、とりのぞく。
ちなみに、まがり、という名前はこの写真のとおりクルンと曲がった先っぽから採られたらしい。
和名はカギイバラノリ、というらしい。スギノリ目イバラノリ科ということで、イギス目のエゴノリとは違う仲間ということのようだが、なんせ地方名とかごちゃごちゃしているので、本当のところはわからない。
炊いて、溶かして、冷やして、固める
先ほどの洗った海藻と、そのかさの半分強くらいの水を鍋に入れて、炊きます。最初は中火でまず沸騰させましょ。
ずいぶんアクが出るので僕は除いたけれど、この辺りはお好みだと思う。
だんだんと、ナメック星人を溶かしたような緑色の液体になってくる。全部溶けることは無く、写真のようにいくらか海藻だったころの形をとどめている。もうこれ以上溶けないかな、と思ったあたりで、バットや容器に流し込みます。
この、流し込むときに、「海藻を濾しとってもいいし、そのままでもいいよ」とあのじいちゃんが言っていたので、ぼくはそのまま濾しとらず固めることにした。
ホーローバットに流し込んで、粗熱をとったあと、冷蔵庫で小一時間冷やしたもの。寒天のようにしっかりと固まっている。
食べ方
見よこのエメラルドな輝きを!
刺身こんにゃく的なイメージで切り出し、ポン酢で頂きます!
少し緩めの寒天といった舌触りで、口に含んだ時の磯の香りがいいです。酢味噌なんかも合うはず。この時はひとまず日本酒で頂きました。焼酎でもいいと思う。癖がないのでなんにでも会うと思う。
炊く時間をもっと長くすれば固めになるのかもしれないし、濾したバージョンも作ってみたい。まがりの道を極めるにはいろいろ試す必要がありそう。
コメント