鋭い牙!砂浜を歩いていたら、イノシシの下顎骨が落ちていたので拾って帰った。

動物

今年もそろそろコアジサシの季節だな~と思い立って、大学の講義後にいつもの浜へ行った。そしたら、まあ~なんにもいないこと。今年の宮崎は外れ年のようで、コアジサシはおろか、ほかの鳥たちも少なく、静かでさみしい夏である。
収穫ゼロのまま帰るのもなんだか惜しいので、砂浜をぶらぶら歩いていると……

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骨が落ちていた

(*‘∀‘)お、なんかあの辺に白いもんが落ちちょるぞ!
と思っててくてく近づいてみたら、まさかの骨のご登場である。どうやら下顎骨である。さすがにびっくりだ。


大きさはこのくらい(僕の足は26センチです)。
去年の今頃、必死で受けていた解剖実習の記憶をひねり出す。抜き打ちテストみたいだ。

~特徴メモ~
・左右の骨が分かれておらずくっついている
・するどい犬歯がある
・臼歯がとがっていない

まず、下顎骨の左右が分かれておらず、一体になっている点。
見たことがないとイメージしづらいと思うけれど、反芻類やウサギ(こんなにでかいウサギがいたらびっくりだけど)は、下顎骨が右と左で分かれていて、相互に可動的(ばらばらに動ける)である。というわけで、反芻類のウシやシカ、カモシカは除外できる。

次に、するどい犬歯がある点。このとおり、シャキーンとするどくのびていて、触ると痛いくらいである。
犬歯は文字通りイヌでよく発達するけれど、忘れちゃいけないのがブタの仲間。彼らも立派な犬歯を持っている。家畜だとケガをしないように切られちゃうけれど。
一方、ウシやウマなんかの、完全に草しか食べない動物はこんなに犬歯が伸びない。そんな必要ないものね。なので、彼らも除外できる。
ちなみに牛と同じく反芻獣であるところのラクダさん、草食のくせになぜか発達した犬歯を持っている。サボテンなんかを食べるのに使うのかしら。

最後に、臼歯が平べったい点。人間の奥歯にも似た四角くて、まさしく臼のような臼歯。このような形の臼歯は植物性のかたい食べ物をすりつぶすために使う。
肉食動物のイヌなどは、この臼歯も、臼歯とは名ばかりのナイフのような鋭い形をしている。よっておそらく、この骨はイヌやネコとも異なる。
するどい犬歯もありつつ、植物を食べる動物。そう、これはブタの仲間の骨、野生のものだろうし、おそらくイノシシのものだろう

イノシシだと思うと納得の、外側にグッと開いて伸びた牙である。

というわけで、持って帰ります。

家にあった骨と比較してみた

なぜかうちには、ブタ(かイノシシかよくわからないけれど)の頭蓋がある。ひいじいちゃんの家をあさっていたら出てきたものだ。

こちらはちゃんと、下顎骨だけじゃなくて、頭が全部まるごとそろっている。

ちなみに、なんでこれがブタの骨だとわかるのかというと、全体的な形ももちろん大事なヒントだけれど……(^^)/ここ!ここ重要です!テストに出ます!
眼のくぼみ(眼窩という)のまわりが完全な〇(まる)じゃなくて、後方がかけたCのような形になっている。これは食肉類(イヌネコ)とブタのなかまにしかない特徴なのである。

並べてみた。
実はもう一つ大事な特徴がある。それが……下顎骨の側面にぽつぽつと空いた穴。これ、名前をオトガイ孔といって、動物種によって空いている穴の数が異なる(と、解剖の教科書に書いてあって今知りました)。
ウマ、反芻獣では1個、食肉類で2~3個、ブタやウサギで4~5個なのだそう。
今回拾ったものには4個、うちにあったものには5個の穴が空いていて、まさしく教科書通りの結果になった。

今では二頭とも、我が家の玄関のお出迎え係を務めてもらっている。いい勉強をありがとう。

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