朝8:30から金御岳でサシバを観察し続けること3時間ちょっと。飛行高度が高くなり首も疲れてきたので、一休みということで、そのあたりの小径を散策。
コカマキリ、発見
枯蟷螂(かれとうろう)が一匹。コカマキリだ。いいところに出てきてくれてありがとう。ちょっとサシバに飽きてきたとこだったんだ。
地味な色、小さな体
膝乗りコカマキリ~
体長は5cmくらい。オオカマキリの半分くらいの大きさだ。この個体、ちょっと翅が折れ曲がっているよう。けれども、せっかく親切でなおしてあげようとしても、鎌を振り上げて嫌がるので放っておくことにする。
手乗りコカマキリ~
たまに緑色型もいるらしいけれど、基本はみんなこういう地味を地で行く褐色の体をしている。枯草に溶け込む保護色で、鳥に見つからないように密やかに生きて……いればよかったのに、アスファルトに出てきちゃったもんだから、こうして人間に捕まってしまった。
赤・白・黒の派手な鎌(前脚)の模様
つままれコカマキリ~
コカマキリの最大の特徴はこの鎌、すなわち前脚の内側に隠された赤・白・黒のカラフルな模様だろう。中心の白条を挟むような、黒条と赤い模様。特に黒条の部分は金属光沢があって、青緑っぽく見えて美しい。
(`・∀・´) トリコロールじゃん!
実際に見比べるとあまりにもそのままフランスの国旗で、ちょっと感動。
最初にコカマキリを見たのは小学4年生、近所の公園でのこと。鎌の内側にこの模様を見つけたときは、誰かのいたずらだと思った。
きっとこのあたりに住んでいるフランス人が、カマキリを捕まえている途中で突然、理屈では説明のつかない何らかの作用によって、理不尽なまでにハイパワーな郷愁に襲われたのだ。そして、そのフランス人は偶然にも油性マーカーを持ち合わせていたに違いない。嗚呼フランスよ、わが故郷! フランス人は抑えがたき郷愁を、カマキリの鎌にトリコロールを描くことで発散せずにはいられなかったのだ!
とまではさすがに思わなかったけれど、カマキリの鎌に色がついているということが、それなりに異常に映ったのは確かだ。
今改めて見ても、やっぱりちょっと不思議な模様。落ち着いた着物姿と見せかけて、羽織の内側にはド派手な竜だの鷹だのの刺繍がされているのを見るような気分である。
つまみやすいコカマキリ
さて、そんなフランスかぶれのコカマキリ。これは経験則になるのだけれど、彼らの鎌(前脚)の関節可動域は、オオカマキリなどに比べて狭いように思う。
なぜそう思うかというと、コカマキリは下の写真のように、胸をつまんでも指を鎌で挟まれないからだ。
ひゃっ、という感じでつままれるコカマキリ氏。
オオカマキリやチョウセンカマキリなど、他のカマキリでこの捕まえ方をすると、高確率で鎌を振り上げざまに後ろに回され、指が痛い目に遭う。
けれどもコカマキリの場合はというと……
と暴れはするけれど、鎌が後ろの方に回って襲ってくる様子はない。なので、胸をつまんでつまみ上げやすい、写真撮影にはもってこいなカマキリだ。
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