祖父がハイタカの死体を頂いたのでじっくり観察。便利な肢(あし)の仕組み。

動物

祖父が、知り合いからハイタカの死体をもらったらしいので、じっくり観察します。その方によると、おそらく事故死じゃないかとのこと。

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ハイタカの死体

体長は38㎝ほど。
図鑑(※フィールド図鑑 日本の野鳥)によると♂30~32.5㎝、♀37~40㎝とあるので、これは♀だと思われる。

 

背面の画像。

幼鳥であれば全体的に羽縁が淡褐色だが、この個体は羽縁がそこまで目立たないので、成鳥だろうと思う。

 

腹面の画像。

まじかで見ると、こんなにも鷹紋がきれいにそろっているのかとうっとりしてしまう。祖父の手が、翼をぐっと広げると、扇子のように開くのが面白い。

 

初列風切羽。特に先端の、長さが突出していて、羽と羽との間が離れた、指のように見える部分を翼指(よくし)という。ハイタカは見てのとおり6本ある。

日本産のタカ科で言えば、
「〇〇ワシ」+クマタカ …… 翼指が7本
それ以外のタカ …… 翼指が6本以下
なのだそう。このハイタカもそれに沿う結果となった。

 

これは小翼羽といって、あんまり飛行には関係していない(と言われている)、第一指から生えている羽。
(※小翼羽が失速の抑止や揚力の補強になっているという論文もある)

と、これはググった結果であって、解剖学実習でニワトリの該当部位を見たときは、「第二指」と習った。しかし。家禽の場合は前肢(すなわち翼)の退化が進んでいて、第一指は無くなっている(第二指も第三指とくっついてワケワカンナイことになっている)のだそう。

 

尾羽がそれこそ扇子の如し。鷹紋がなんでこんなに示し合わせたように、てんでバラバラに生えてきた隣の羽同士で整列するのか、本当に不思議。

 

鉤型になったクチバシ。うっかり触るとゴム手袋に穴があきそう。

外鼻孔も「あ、そこに開いてたんだ!」という配置。虫やチリなどを入れないためか、細かい羽毛が外から覆いかぶさっている。鼻毛みたいな役割なのだろうか。

力を使わず木にとまれる肢(あし)の仕組み

右足を見てみると、生前に出血があったようだ。強打したのかな? この時期だから鳥インフルエンザが心配だったけれど、この傷を見ると、事故(外傷)が死因だった可能性がかなり高いと思われる。

ところで、鳥の肢(あし)に隠された、とっても便利な秘密をご存じだろうか?
それは「力を使わなくても、木の枝をつかんでとまれる」という能力である!

(;´・ω・)ほんとかよ~

とお思いのそこのあなた、とくとご覧あれ!

 

 

ほら! まるで生きているみたいに指をつかんだでしょ!

(当然だけど)死んでいて、全然力が入らない状態でもこのとおり!

これは、各ゆびの趾屈筋や深趾屈筋が底側(掌側)に走っているため、足の裏を押す力(=かかとを屈する力)が加わると、これらの屈筋が引っ張られて(緊張)、趾が曲がって枝などをつかむため。つまり、体重さえかかれば、力を使わずに木の枝をがっちり掴めるというわけである。効率のいい便利な肢だなあと思う。

色々と勉強させていただきました。安らかにお眠りください。

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