田んぼの畔でイタチを発見
僕は野生の哺乳類と出会う才能が乏しいらしく、シカにもイノシシにも滅多に会わない。当方といたしましては、ぜひともお目にかかりたいのだけれど、なんか変なにおいでも発しているのだろうか。鹿肉ソーセージを食べたことを根に持っているのかもしれない。
そんな僕がめでたいことに、このたび珍しくイタチに会った。2月14日、ありがたいバレンタインである。
ミヤマガラスの群れを見ていたら、近くの田んぼで動く黄色い毛むくじゃらが。
こんがりキツネ色。顔がなかなか見えないので、一瞬本当にキツネかと思った。地面に頭を突っ込んでグリグリしている。大きさはちょうどネコくらい。
ソロソロと接近を試みる筆者。顔を上げたら、確かにイタチのようだ。
枯草のミステリーサークルはイタチの仕業?
この写真のように、枯草に穴がほがされたようになったものを見たことはないだろうか。
今までちょくちょく見かけながらも、これが一体何の痕跡なのかわからず不思議だった。小さいけれどミステリーサークルである。
けれど、今日、とても有力な手掛かりを見つけた。
それがこいつである。
グリグリグリグリ……
餌探しなのだろうか? 地面に頭を突っ込むような姿勢で、場所を変え向きを変えして、ずっとグリグリしている。(餌探しなのだろうか? と疑問形なのは、この子がこのあと何も捕獲できなかったことを意味する)
そしてそのグリグリ跡地にあったのが、先ほどの枯草にほがされた穴というわけだ。
どうやら、このグリグリによって、件の小さなミステリーサークルが形作られているようである。
もちろんグリグリするのはイタチだけではないかもしれないので、確定ではないけれど、かなり有力情報じゃないだろうか。
イタチの走り方
こちらに気づいて逃げるイタチ。
前脚、後脚は左右セットで動かすようで、ぴょこぴょことした動きに見える。短足胴長の鏡ともいえるイタチの体型に特化した走り方なのだろう。
ニホンイタチとチョウセンイタチ
ここまでイタチイタチと繰り返し書いてきたけれど、宮崎で見られるイタチは、ニホンイタチかチョウセンイタチの二種類に分けられる。チョウセンイタチはユーラシア大陸に広く分布していて、日本に生息しているのはその移入種なのだそう(対馬のみ自然分布)。
この二種はかなりそっくりさんで、いまだに別種に分けるべきか否かすら論争してるらしい(遺伝子的には種レベルの違いがあるらしいけれど)。
ニホンイタチとチョウセンイタチの大きな鑑別点は、頭胴長と尾長の比率。
頭胴長とはつまり、頭から尻尾の付け根までの長さ。尾長はそのまま尾の長さ。
ニホンイタチのばあい、尾長は頭胴長の約40%。これに対してチョウセンイタチは50%以上であることが多い。
( *`ω´) というわけで、今回のイタチはどっちか比べてみよー!
がれきの山にひょこっとのってくれたイタチ氏。ちょうどいい姿勢なので、そのままキープでお願いします。
青線が頭胴長、赤線が尾長。これはどうやら、50%を超えているので、チョウセンイタチで間違いなさそうだ。
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